2 陝西省との交流推進について
陝西省の省都西安市は、古く中国の都で長安と呼ばれ、前漢から隋、唐までの1100年余り首都
であり、多数の世界的な文化財を有する地域でもある。香川県との関係でいえば、青龍寺という
寺院があり、弘法大師空海の記念碑がある。
こうした古い歴史や多彩な文化財に魅かれて、西安には世界中から多くの人が訪れるが、先ごろ、
東京国立博物館で特別展「三国志」が開催され、西安市をはじめ中国各地から海外に出るのは初め
てという国宝級の文物が日本に集まり、期間中はほぼ毎日満員の見学者が訪れていた。
陝西省にとって本県は友好提携を結び、長年にわたり良好な関係を築きながら交流を重ねてきた
特別な場所である。香川と陝西省の文化交流の一環として西安から、かの国の国宝級の文物をお借
りして、県立ミュージアムで展示しながら陝西省や西安市を詳しく紹介することができれば、多く
の県民や県内在住の中国の方が観覧し、わが国と陝西省との関係への理解も深まるのではないかと
思う。
また、県立ミュージアムは、歴史博物館と美術館の2つの機能を併せ持つ施設であり、このよう
な特別展こそ開催する意義があると思うし、県民の方にも県立ミュージアムの役割や価値をあらた
めて知っていただくことに繋がる。
そこで、陝西省との親善の深化や県立ミュージアムの効果的な活用の一つのきっかけにもなると
思うこのような企画を検討していただきたいと思うが、知事のご所見を伺う。
また先般、友好県省25周年記念で香川県代表訪問団が陝西省を訪れて友好関係を確認してきた
が、その際、日中友好議員連盟と陝西省人民代表大会常任委員会は友好交流協議書を結び、今後は
双方の議会としても一層の交流と協力を推進していくこととしている。
このように周年行事や新たな友好交流協議書の締結により、双方において友好交流の機運が一層高まっているが、今後、陝西省との交流をどのように進めて行かれるのか、お聞きする。
本県と中国陝西省との交流については、
平成6年に締結した「友好県省提携に関する協定書」に基づき、経済、文化、教育、スポーツなどの幅広い分野において、
交流事業を実施してまいりました。
本年は、陝西省との友好県省提携から25周年目の節目の年であり、9月には、県議会の皆様とともに友好代表団として陝西省を訪問し、陝西省政府へ表敬訪問するなど、交流の絆を一層深めたところであります。
これまでのこうした訪問に加え、平成10年にはサンメッセ香川において「陝西省文華博」を開催し、陝西省の貴重な文物を展示したほか、機会を捉え、中国の文化などを紹介するイベントや写真展を開催するなど、文化交流を通じて、県民の皆様に陝西省の理解が一層深まるよう努めてまいりました。
議員御指摘の県立ミュージアムを活用した展示等につきましては、
双方にとってどのような文化交流が有意義なものとなるのか、社会情勢なども踏まえつつ、まずは、陝西省と意見交換に努めたいと考えております。
私といたしましては、今回の訪問の成果を生かしつつ、長年にわたって培った相互の信頼関係を礎としながら、協定の四原則の一つである「長期安定」の観点に立って、市町、民間団体とも連携しながら、相互の理解と信頼を深めるため、陝西省との交流の推進に取り組んでまいりたいと考えております。